APM in the Media

中国の研究チーム、分子が孔径の限界超えるメカニズムを解明

Time:2022-05-31

 【新華社武漢5月30日】中国の科学研究チームの重要な研究成果がこのほど、「サイエンス」誌に掲載された。研究チームは、分子拡散が孔径の限界を突破するミクロのメカニズムを解明し、サイズの大きな分子がどのようにしてそれよりも小さな細孔を通過するのかという、長年学術界を悩ませてきた問題を解決した。

 中国科学院精密測量科学?技術創新研究院は27日、清華大学化学工程系の魏飛(ぎ?ひ)氏率いる研究チームと同院の鄭安民(てい?あんみん)氏率いる研究チームが協力して研究を行ったと明らかにした。研究者は、分子ふるいピコメートル電子顕微鏡とインサイチュ?イメージング戦略を組み合わせた原理分子動力学シミュレーションを採用し、ベンゼン分子の吸脱着挙動と分子ふるいフレームワーク構造の動的変化をその場でリアルタイム観察することに成功した。その結果、剛直な分子ふるいのサブモノマーのトポロジーが持つ柔軟な構造上の特徴を発見した。

 

 分子ふるいは、秩序ある微細孔構造を持つ一種の剛性フレームワーク材料であり、石油?石炭化学工業や二酸化炭素(CO2)の変換、環境ガバナンス、ガス分離など多くの分野で幅広く利用されている。3次元ナノ細孔を用いてサイズの異なる分子をふるいにかけ、分子運動や反応挙動をミクロレベルで領域を限定して精密制御することで、高付加価値製品の選択性の高い調製を実現する。

 実際の応用過程において、細孔内で拡散?生成できる分子の最大直径は、結晶学的細孔径よりも大きいことが多く、分子ふるい細孔の剛性の幾何学的限界を突破する。しかし、この現象がなぜ起こるのかは長い間未解決のままだった。

 チームに参加した清華大学化学工程系の陳暁(ちん?ぎょう)博士は「剛直な分子ふるいのサブモノマーのトポロジーが持つ柔軟な構造上の特徴は、大きなサイズの分子がそれよりも小さい細孔を通過できる理由を十分に説明することができる。これは、分子ふるいの形状選択的触媒作用の基礎研究分野における大きな躍進といえる」と語った。(記者/譚元斌)

https://news.livedoor.com/article/detail/22247434/

 


Enclosure: